INTRODUCTION

トム・クルーズとキャメロン・ディアスのコンビで全世界大ヒットを記録した『ナイト&デイ』。激しいアクションとロマンスをコメディタッチで描くその作風は、1本の映画に喜怒哀楽全ての要素を求めるインド映画界のニーズにハマり、正式にリメイク権が獲得され、そこに更なるアクションとロマンス、そしてド派手なダンスを加えてマサラ風味にアレンジされた本作『バンバン!』が誕生した!本国インドでは2014年公開時に年間興行収入4位を記録。製作費16億ルピー(約28億円)をつぎ込み、インドのみならずタイ、ギリシャ、ドバイ、チェコでの撮影を敢行。車やバイクだけでなく、水上スキーからF1カーまで、あらゆるマシンを駆使したカーチェイスや、絢爛豪華なダンスシーンがド肝抜くスケールで展開する!

ド派手な怪盗ラージヴィ―ルに、2018年に“世界で最もハンサムな男性ランキング”で6位となった、インド映画界きってのイケメンスター、リティク・ローシャン。日本でも公開された『スーパー30 アーナンド先生の教室』では封印していたイケメンオーラ全開で、セクシーで謎多きヒーローを演じている。
事件に巻き込まれ、地味な銀行員から、魅力あふれる女性に華麗な変化を遂げるハルリーンに、“最もセクシーなアジア人女性“と評される『チェイス!』のカトリーナ・カイフ。2人のファンタジックな美男美女っぷりも見どころの一つだ。
監督は、2019年に『WAR ウォー!!』でインド年間興行成績No.1を獲得したシッダールト・アーナンドが務め、ハリウッドを超えるインドアクションの第一人者の実力を発揮している。

STORY

謎の怪盗ラージヴィ―ル(リティク・ローシャン)と、
偶然彼に出会った地味なOL、ハルリーン(カトリーナ・カイフ)が、
インドからイギリスに渡った伝説のダイヤ“コヒヌール”をめぐって、
残忍な犯罪組織や国際警察と世界を股にかけた争奪戦を繰り広げる中、
やがてラージヴィ―ルの真の目的が明らかになる・・・

CAST & STAFF

リティク・ローシャン
ラージヴィール
カトリーナ・カイフ
ハルリーン
ダニー・デンゾンパ
オマール・ザファル
パワン・マルホートラ
ゾーラーワル捜査官
監督:シッダールト・アーナンド
リティク・ローシャン
ラージヴィール
1974年、ムンバイ生まれ。父はプロデューサー・監督・脚本家・俳優であるラケーシュ・ローシャン。母方の祖父もプロデューサー・監督の映画一家に育つ。1980年、祖父J・オーム・プラカーシュ監督作品に初出演し、以後1980年代は子役やダンサーとして出演。その後、父の映画製作も手伝いながら、2000年に初の主演作となる『Kaho Naa... Pyaar Hai』(未)が大ヒットし、年間興行成績第1位となった。さらには、インドの権威ある映画賞、フィルムフェア賞等で新人賞と主演男優賞など46の映画賞を受賞した。その後、2011年公開の『人生は二度とない』や『クリッシュ』(13)などのヒット作に出演を続け、ボリウッドを代表するスター俳優の一人となった。2019年に公開され、ヒンディー語作品のインド年間興収1位となった『WAR ウォー!!』『スーパー30 アーナンド先生の教室』(19)などが日本でも全国公開されている。
カトリーナ・カイフ
ハルリーン
1984年香港でインド人の父とイギリス人の母の間に生まれる。海外を転々として育った後、インドに渡りファッションモデルとなる。2003年に映画デビューを果たし、2007年には『Namaste London』(未)が大ヒットとなり注目を集めた。さらに翌08年『Singh Is King』(未)や、本作と同様にリティク・ローシャンと共演した『人生は二度とない』(11)のヒットで一躍スターダムに躍り出た。その後『タイガー 伝説のスパイ』(12)『命ある限り』(12)『チェイス!』(13)など日本でも劇場公開された大ヒット作品が続き、そのスタイルの良さやダンスの上手さに加えた演技力で、ボリウッドのトップ女優としての地位を確立した。2013年にはイギリスの新聞メディアEastern Eyeで、最もセクシーなアジア人女性に選出されている。
ダニー・デンゾンパ
オマール・ザファル
1948年、シッキム州生まれ。軍人を目指していたものの進路を変え、映画テレビ学院で演技を学ぶ。俳優になるにあたり親しみやすい名前にしようと、本名のツェリング・ピンツォから芸名をダニーに変え、1973年に映画デビュー。悪役を中心に演じ『Sanam Bewafa』(92/未)と、『Khuda Gawah』(93/未)で、フィルムフェア賞助演男優賞を二度にわたり受賞した。 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(96)『ロボット』(10)など幅広く活躍を続け、2003年には、インド政府から民間人に贈られる勲章、パドマ・シュリー章を授与されている。
パワン・マルホートラ
ゾーラーワル捜査官
1958年、デリー生まれ。大学卒業後、衣装助手として映画界入りし、同時に演劇にも関わるようになる。その後ムンバイに移り、テレビ番組の大道具助手となる。1984年に俳優としてデビューし、映画やテレビに出演し始める。映画祭で高い評価を受けた『虎男』(89)英仏合作映画『シティ・オブ・ジョイ』(92)、日本でも公開された『DON 過去を消された男』(06)『ミルカ』(13)など多岐にわたる作品に出演を続けている。
監督:シッダールト・アーナンド
1978年パンジャーブ州生まれ。監督デビューとなる『Salaam Namaste』(05/未)で大ヒットを記録。以降次々とヒット作を連発して、2014年に公開された本作がインド年間興収4位の大ヒットとなった。その後、2019年には、リティク・ローシャンとタイガー・シュロフを起用したアクション大作『WAR ウォー!!』でインド年間興収1位を獲得した。今後は、リティク・ローシャンとディーピカー・パードゥコーンを起用した『Fighter』、シャー・ルク・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、ジョン・エイブラハム共演の『Pathaan』など、人気俳優を起用したアクション大作が予定されている。

PRODUCTION NOTE

製作費16億ルピー(約28億円)のハリウッド作品リメイク
ボリウッドと呼ばれるヒンディー語映画界にとって、本作が公開された2014年は変化の年だった。それまでは製作費が10億ルピーを超える作品は限られていた。2011年に公開されたシャー・ルク・カーン主演のSFアクション『ラ・ワン』は13億ルピーの製作費が話題になった。続いて、2013年公開のアーミル・カーン主演のアクション作品『チェイス!』の製作費は17.5億ルピーを超え、年間興収1位に輝いた。そして本作が公開された2014年には、サルマーン・カーン主演『Kick』(未)が製作費14億ルピー、シャー・ルク・カーンの『ハッピー・ニューイヤー』(未)は15億ルピー、そして本作は16億ルピーと、製作費10億ルピー超えの作品が3作品も公開される異例の年となった。本作は、ハリウッド映画『ナイト&デイ』のリメイク権を正式に取得して、アクション、ロマンスを派手に増量した上にダンスを加え、マサラテイストを盛り込んだエンターテイメントに仕立て直された。インドの映画ファンからの期待も高く、公開3か月前にYouTubeにアップされたティザー映像の再生数は公開から24時間で233万回に達し、ヒンディー語作品の当時の新記録を打ち立てた。公開時はオリジナルのヒンディー語版のほか、テルグ語、タミル語吹替版も製作され、汎インドでの大ヒットとなった。
果敢にアクションに挑んだ
リティク・ローシャン
リティク・ローシャンはこれまでにも『Dhoom 2』(未)や『クリッシュ』などアクション作品に出演してきた。だが、本作のオリジナルの主演俳優は、すべてのアクションをスタントなしに演じるトム・クルーズ。スタッフの反対を押し切っても命がけのアクションを自ら演じる、超人的なアクション俳優だ。彼を意識し、リティクもほとんどのアクションシーンを自ら演じた。だが、タイでの水上シーンの撮影中、水圧で水上13メートルの高さに飛ぶフライボードを使った際に負傷。検査で血栓が見つかったため、急遽手術を受けた。快復した後も、リティクはスタントマンを使わず、自ら残りのアクションシーンを演じきった。リティクは本作での経験を「自分にとって夢のようなプロジェクトだった。精神的にも肉体的にも挑戦が必要だったため、完成までに時間を要した。常に自らを強く奮い立たせていた。だからこの作品は自分にとっての〝勝利〟なんだ」と語っている。
世界を股にかけたロケーション
世界を股にかけた冒険とロマンスを描く本作の撮影は、インドのデリー、ムンバイ、シムラー、マナーリーのほか、アラブ首長国連邦のアブダビ、チェコのプラハ、ギリシャのサントリーニ島とミコノス島、タイのプーケットとシミラン諸島で撮影された。なかでも、ヒロインの恋心を描くソングシーンは、インドのシムラーやマナーリーで撮影された「Uff」、チェコやギリシャで撮影された「Meherbaan」など美しいものとなっている。アクション要素が強めだったオリジナルに対し、本作ではインド映画ならではのロマンス要素を盛り込み、『人生は二度とない』でカップルを演じて好評を得たリティク・ローシャンとカトリーナ・カイフが、ファンタジックな美貌を活かして夢の様なロマンスを演じている。
日本のSNSでバズった
ダンスシーン
ド派手な花火をバックに、多数のバックダンサーを従えてリティク・ローシャンがキレキレのダンスを披露する劇中歌「Tu Meri(あなたは私のもの)」は、インド映画の名ダンスシーンとして必ず挙げられるものの一つだ。日本でも2016年に、インド映画好きの母親が二歳の子供にこのダンスシーンを見せた際に、子供が大興奮でノリノリになったエピソードを投稿したところ、中毒性のある楽曲とキレキレのダンスがTwitterを中心に話題となり、あっという間にまとめサイト等で拡散されていった。 高い身体能力を誇り、インド映画スターの中でも屈指のダンスの才能を持つリティク・ローシャンが、超絶イケメンぶりを振りまくダンスシーンと、一度聴いたら忘れられないメロディなど全ての要素がハイテンションで濃いこのシーンは、インド映画通以外の日本の人々がインド映画に抱くイメージを具現化したものといえる。