INTRODUCTION
インド究極の映像絵巻が、
いま世界に解き放たれる!
それから70年もの間、幾度も映画化が試みられたが、その壮大なスケールから難航を極め、撮影技術の進化やインド映画界の大作主義を背景に、遂に2部作に及ぶ一大映像絵巻として世に放たれる!
10世紀、南インドで繁栄を極めるチョーラ王朝。しかし王が病に伏し、臣下たちはその息子ではなく、従弟を次期国王として擁立することを画策する。
2人の王子が領土拡張のためそれぞれ北方と南方で戦いを繰り広げる中、父と共に都に残る聡明な王女。遠く離れた3人だが、不穏な動きを察知し、共にこれに対抗すべく密使を送り出す。密使に選ばれた若く陽気な騎士・デーヴァンの壮大な旅が始まった…
その名前で観客が殺到する監督となった世界的巨匠、マニラトナム監督のもと、日本でも公開された『ミモラ-心のままに-』(99)、『ロボット』(10)など数々の作品で“ボリウッドの女王”と称されるアイシュワリヤー・ラーイ、『囚人ディリ』(19)でハードなアクションを披露したカールティなど、南インドを代表する豪華キャストが演じる個性的なキャラクター達の愛憎と権謀術数渦巻く宮廷ドラマは、インド版「ゲーム・オブ・スローンズ」と話題を呼び、2022年インド国内興行収入第3位となる大ヒットを記録した。
70年の時を経て、インド:タミル語圏の悲願ともいえる超大作の、めくるめく映像世界を劇場で体感する時がやってきた!
STORY
一方、パルヴェート侯の美貌の妻、ナンディニ(アイシュワリヤー・ラーイ)は、夫を陰で操り、チョーラ王朝に揺さぶりをかけようと画策していたが、その裏には、アーディタとの過去の悲恋と確執が深く影響を及ぼしていた…
愛憎と陰謀が渦巻くチョーラ王朝を舞台に、密使に選ばれた若く陽気な騎士・デーヴァン(カールティ)の壮大な旅が始まろうとしていた。
CHARACTER
PRODUCTION NOTE
チョーラ王朝とは
なお、それよりも前、紀元前3世紀ごろから紀元後3世紀ごろまでの南インドでは、チョーラ朝(現在のタミルナードゥ州中部)、パーンディヤ朝(同じく南部)、チェーラ朝(現在のケーララ州)が三つ巴でしのぎを削っていた。この古代タミル三王国のチョーラ朝はいつしか姿を消し、9世紀中ごろに再興したのが、本作に登場するチョーラ王家。血統的な繋がりは実際にはないが、自らを古チョーラ朝の末裔と称した。
チョーラ朝の最盛期は、1003年から1010年にかけてタンジャーヴールに壮麗なブリハディーシュワラ寺院を建てた中興の祖、ラージャラージャ一世に始まるとされている。本作の王家の次男、アルンモリが後のラージャラージャ一世であり、劇中の年代設定は、王朝が最盛期に至る前の不安定な時代、971-972年頃と言われている。インド一大ベストセラー
となった原作
ラーマスワーミは、フランスのロマン主義小説、特に「モンテ・クリスト伯」のアレクサンドル・デュマに影響を受けていたといわれており、登場するキャラクターは、主要人物で15人、全部で約50人にもなる。それら登場人物たちの波乱万丈の運命や、背景となった時代に関しての詳細な解説なども含んだ「Poniyem Selvan」は、全5巻2200ページ超に及ぶ大河小説で、さながら古代のタミル世界の百科事典ともいうべきものになっている。
そのタイトル「Poniyem Selvan」は「ポンニ川の息子」を意味し、登場人物の一人で後にチョーラ朝の中興の祖となるラージャラージャ一世のことを指す。ポンニ川とは、カルナータカ州とタミルナードゥ州を横断して流れ、下流デルタ地帯をインド有数の穀倉地帯としている南インドきっての大河で、今日ではカーヴェーリ川と呼ばれている。ラージャラージャ一世だけでなく、小説に登場する王家の人々は、全て歴史上の実在の人物がモデルとなっている。映画化への道のり
その後、2010年代後半の『バーフバリ』二部作に代表される超大作や、インドの多様な言語全てで観られる汎インド映画が南インド発でインド全土を席巻するようになり、ようやく機が熟したマニラトナムは、再度脚本に取り組み、2019年初からキャスティングをスタートした。皇太子役のヴィクラム、タイトルロールのジェヤム・ラヴィはスムーズに決まったが、その他のキャスティングは数多のスターの名前が挙がったものの難航した。中でも、スーパースターのラジニカーントは、敵役のパルヴェート侯を演じることを望んだが、ラジニのファンを刺激することを望まないマニラトナムは丁重に断ったと言われている。
CAST
STAFF
現在は、映画祭での特集上映も組まれ、インドで最も評価される監督の一人として巨匠の地位を築いている。
マニラトナムの『ディル・セ 心から』(98)中の「チャイヤ・チャイヤ」をきっかけにアンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカル「Bombay Dreams」(02)を手がけることになり、さらに2008年の『スラムドッグ$ミリオネア』で米アカデミー賞の歌曲賞と作曲賞を獲得した。